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本を愛する全ての人へ…

  白い本の物語
  重松成美
  小学館





いろいろな事があり
少し読書から離れていました

そんな心の隙間をそっと埋めるような
やさしくて美しい物語に出会いました

小学館の「IKKI COMIX」
新しく「rare」というシリーズが刊行されたのを知りませんでした
新人を大きく取り上げてバックアップするような内容のコミックです
すべてが書き下ろしになっています

第一弾として発売された2冊のうちの1冊がこのコミッックです

重松成美さん…聞いた事がありません
同人の世界の人でしょうか?経歴はよく分かりませんが
この作品はきっと売れます!
いや売れて欲しい!

このコミックは本を愛する人
そして現在のkindleやiPadなどの電子書籍に疑問を感じている人
書店員、出版社の人、全ての本に関わる人に読んで欲しい一冊です

すごく面白いとか良く出来た話しだとか…そういうものではありません
ただひたすら「本」というもの
その1冊の「重み」をやさしく問いかけてくれます

愛書家(ビブリオフィル)の父を無くした男の子
彼はそれほど本が好きな訳ではなかったけれど
父の面影はその残された本と共に
形のあるものとして消えない思いになります

ある日、街で見かけた製本のお店
そこで2人の本の職人(アルティザン)と出会います
そして自ら1冊の本を作り上げるのです

読み終わった後
心にしみます
本というものは本来こういう姿であるべき…
わたしたちが忘れそうになっているもの
持ったときの本の重さや質感
印刷の匂い
装丁の美しさ
それらが一体となって
残る思い…

作る人も、売る人も、読む人も
1冊の本を軽視してはいけないのです
出版不況と言われて続けてもう何年も経ちますが
形ある本を
決して失くしてはいけない
その思いを再認識させてくれました

とてもとても
良い話しでした………




| 読む(隊長) | 00:04 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
不可抗力とはこのことか!
哲学ミステリーと呼ばれるこの本
確かに主要人物は物理学者であり
事件と共に多次元世界についての論理が繰り広げられる

物理と聞くと回れ右をむく私ですら
その論理を理解することができたし
(正確には理解した気分かもしれないけど…)
殺人事件が起こり、犯人も明かされる

息子を誘拐され、身代金のかわりに殺人を要求されるセバスティアン
やってのけたはいいが、一体誰が何のためにこんなことを
というかなりシリアスな展開が繰り広げられるのですが
誤解を恐れずいうのなら、これはアホミス(アホなミステリー)
しかも少し腐女子よりの

まず主人公セバスティアンと友人オスカー
互いの才能を認めあい、学生時代は教授を論破するほどの天才二人が
教室で公然とその才能をみせつけながら
「物理は愛し合う者たちのものだ」
と言ってのけときには思わず出版社を確認

二人の間にそういう関係(?)があったわけではないのですが
二人だけの世界で物理にのめりこんだ
そんな思い出からセバスティアンは逃れ、オスカーはひきずり
といった溝が事件が起きた現在へと続いてくるわけで
その後の相手への発言や行動に余計なきをまわしてしまうのは
果たして自分だけのせいなのか自問自答しつつ読み進むことに
(上記以外にも「自分にとって大切なのはお前だけだ」とか…友情の範囲?)

ただ、そんな見方を別にしても
警視やセバスティアンの妻などエキセントリックな人物が多く登場
その動きについてグルグル振り回されていたら
最後のオチに足をふみはずしそうになるのは間違いない

果たして他の人がどんな読み方をするのかきになるとこですが
哲学ミステリー、天才警視を前面に押し出す
出版社との温度差を感じた一冊でしたピピピ
| 読む  (パク隊員) | 13:20 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
今日も安心して眠れます。
こどものとも年少版

ときどき大物がひょこっとでてくる福音館書店の絵本雑誌「こどものとも」
高野文子さんの絵本が出ました。

しきぶとんさん
かけぶとんさん
まくらさんが
眠りにつくときのどんな不安からも、守ってくれます。

シンプルな絵と、楽しくなるような詩のリズム。
みんなが大好きなお布団が、もっともっと大好きになるような。
なんとも頼もしい絵本なのです!


  まかせろ まかせろ

  おれに まかせろ
  おれに まかせろ

  あしたの あさまで

  おれに まかせろ
  おれに まかせろ
  おれに まかせろ


おふとんさん、いつもありがと。
今夜もよろしくおねがいいたします!
| 読む  (マキ隊員) | 22:00 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
ほんわかホロホロ…
ウミノ村の住人
ウミノさんのアシスタント…鳥野しのさんの連載が単行本になりました
ずーっと気になっていたので待望の発売です

いいタイトルですね…
淡い色彩の表紙絵をめくると
やはりそこにはやわらかい世界がひろがっていました

このストーリーのかなめは
やはり子供ですかね…
実は少々複雑な人間関係なのです
それを子供がいい感じにやわらげてくれています

女2人と子供1人が同居する部屋
この女性2人…1人は子供のママなのですが
やまじえびね…とまでは深刻な関係ではないけれど
元恋人同士なのです…

そして時おり現れこの子を溺愛する男性
同じマンションに住んでいるのですが
実はこの子供のパパと昔恋人同士だったのです
複雑…

時おり見せる深刻さも
誰しもが感じる孤独から来るもので
男だからとか女だからとか…子供だからとか
線引き出来ないもの

人間として愛し愛され
淋しさに涙したり、笑ったり…
みんな誰かに頼って生きている事を感じさせてくれます
いいですね…この話し
気持ちが温かくなります…



     オハナホロホロ


        花や散るらん…ほろほろと

        そっと受けるは…手の温もりか

        舞い散る願いを…こぼさぬように

        あふれる想いが…とどかぬ先は

        わたしの涙と…とけあうように

        花や散るらん…いつまでも

        花や散るらん…いつまでも






| 読む(隊長) | 01:03 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
やさしいコミュニケーション学
藤巻兄弟…
ビジネス書のカテゴリーでは
わたしの中で一目置かれる存在なのです

兄の健史さんは投資や金融関連のスペシャリスト
弟の幸夫さんはたたき上げバイヤーのコンサルティング業
今は2人で株式会社FUJIMAKI JAPAN という会社を作りそれぞれに活躍されています

なぜにこのお二人が素敵かと言うと
「常に消費者目線の庶民派」なのです
たくさん著書もありますが…まず難しくない
読む人にやさしい書き方なのです

自らの経験を惜しげも無く披露しながら
かつウイットにとんだ文章で読む者を魅き付けます
特にこの本の著者…弟の幸夫さんはとてもお洒落
こわもてかと思いきや、親しみやすいナイスガイ
常に現場主義のところが説得力があります

と、いうわけでこの本
「コミュニケーション」について書かれたものですが
コミュニケーション…実はわたしは非常に苦手なのです
この歳になってこんな本を手に取るとは思っていませんでしたが
仕事場のコミュニケーションって本当に重要だし難しい…
藤巻さんはいったいどうやって現場をまとめて来たのだろう?
…純粋に読んでみたくなりました

いや〜!
じつに明確で面白い!楽しい本です!
コミュニケーションの方法から始まって
人間関係の築き方、交渉の仕方、教え方まで
実に実践的でムダが無い!

本書の中にある
「コミュニケーションは誰にでもいい顔をということではない」
という一文…
きちんとコミュニケーションを取る相手を見極めろと藤巻さんは言います
じゃあ一体誰と?と思うでしょう?
藤巻さんの答えは非常に明確です

「縁以外は八百長!」
「会うと楽しくなる人や一緒にいたくなる人は、縁のある人」

あ〜そうなんですよ
分るなー
こういう事を分りやすく直球で言えるのには
相当な場数を踏んでないと言い切れないはず…

最近の若い世代とのコミュニケーションの取り方や
プレゼンの仕方まで盛りだくさん
とても良い本を読みました
1時間もかからず読めるボリュームと価格
みなさんにもオススメできる内容です

最期にわたしがすごく心に残った一文を

「交渉やプレゼンなど、コミュニケーションがうまくいかなかった原因を
 人のせいにはしないことだ。
 まずは、自分の行動について反省出来るところは反省。
 それでも残る悔しさは「タイミングのせい」にして気持ちを切り替えよう!」

 人のせいと考える→人間関係もこじれる
 タイミングのせいと考える→人間関係は続いていく

深いお言葉です…






| 読む(隊長) | 00:58 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
ゆとりくんたちも保守的なのか?
雑誌はいろいろ買ってはいますが
まさかこの歳で「Tokyo graffiti」を買うとは思いませんでした

しかしこの特集は斬新です!
「170人の500作品 大調査! 人生最高の 本!音楽!映画!」
市場調査とは言いませんが
やはり本好きにしてみればどんな人がどのような作品に興味を持っているか
知りたいところです…

しかも切っても切れない「本」「音楽」「映画」の三本立て!
20代・30代・40代・50代…
政治家、大学教授、ニューハーフに右翼代表!!
それぞれがそれぞれのこだわりのブツを紹介しているのですが
これがなかなか面白い!!!

人生最高のものを紹介している特集もあれば
小学生時代、20代、現在…という風に
時代軸で選んでいたり
本当にさまざまな選び方をしています

わたしが興味を持ったのは
本を読まないといわれている若者が
一体どんな本を読んでいるのか…
情報をネットやSMSで入手し情報交換し
機械的な奇妙な連帯感を持った新人類たちですから…

しかし
この雑誌を読んでいると奇妙な事に
それほどコアな本が挙げられていない事に気付かされます

太宰や村上春樹、江國香織やよしもとばなな
コミックもジャンプで連載されているようなものばかり…
きっとクチコミで広がっているんだろうけれども
やはり名作は読み継がれているのです

すこし意外でありながら
すこしほっとしました

めくらない世代が育っても
まだ本はいける…
そう思いました

いつの時代であっても
美しいものを美しいと感じる感覚だけは
人間として失って欲しくない…

定番というものは
いつまでたっても定番であり続けて欲しい
そう思いたいですね



| 読む(隊長) | 03:17 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
女3人、負けリス探検隊!
本の大きな分類で「自己啓発書」というくくりの本達…
ビジネス、宗教、恋愛…内容はさまざまですが

ものすごく苦手です

しかし仕事上読まないといけなかったり
興味がそそられるタイトルって結構あるのだけど
やっぱり読んでみると「何か違うよなー」と思ってしまう
もともと信じるか信じないか、正しい答えなんて人それぞれだし
そこへ行く為のプロセスのテキストのようなものなのだろうけど

わたしはゴールよりプロセスが楽しい方なので…
なんとなくそういう本を読むと損をした気になるのです…変ですかね

と、全く関係ない話しと思いきや
この本…広い意味で「自己啓発書」なのではないかと読後思いました

1人の女性が懸賞でクルマが当たった事をきっかけに
田舎暮らしを始めます(東京では駐車場が高いからという理由!)
もともと翻訳家だったので仕事はマイペース…

そこに友達の女性2人が週末に訪れる
というだけのストーリーなのです

しかし田舎暮らしをしている女性から何気なく言われた言葉が
都会で仕事をしている2人の考え方を少しだけ変えてくれるのです
例えば
カヤックに乗った時
上手く漕げない友達に対して
「手元ばかり見ないで行きたい方を見ながら漕ぐと近づけるよー」と言います

そういう何気ない一言が日常での考え方に変化をもたらす…
一見普通に思えますが
ここで重要なのが田舎で経験する事のすべてが
頭だけでなく体で感じているという事なのです

いわば「すりこみ」
単純に面白かったりきれいだったりする事を
肌で感じ、それを自然と覚えている事…
経験しなければ都会ではなかなかそれに気付く事も無いでしょう

まあミリさんですから
そんな堅い話しはかけらもありません
でもやっぱりこれは為になる「自己啓発書」なのです

面白いですよ、この本…
仕事に疲れている人
ぜひお勧めします

心をほっこりほぐしてくれますよ!!



| 読む(隊長) | 00:52 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
良質ミステリーから始まった1年!!!!
2010年最初の1冊は
昨年末に買っておいた気になる1冊…「閉じた本」

タイトルとこの装丁画だけで、もう読む気満々な感じでしたが
元日に読みはじめ、あっという間に完読しました
と言うのも…
久々にグイグイと引き込まれた作品…
ハズレの多いミステリの中で
まちがいなくこの本は異彩を放った名作です

登場人物はほぼ2人
しかもこのストーリーのほとんどが対話形式になっています
事故で眼球を失った一流作家と
その作家に雇われた代筆者の2人の会話でストーリーは進みます

自伝的小説を書こうとする作家の一言一句を
PCに打ち込む1人の男性
盲目であるが故に、この雇った男に若干の不安を感じつつも
徐々に生活に溶け込んで行く代筆者…
作家のために料理を作ったり、資料の為に作家の思い出の地を訪れたり
まさに献身的な作家の目となり働きます

しかし………

作家の疑惑の念は的中するのです

この代筆者が一体何者なのか…
そこはあまり重要だとは言えません
少し強引な設定であることは確かです
しかし徐々に明らかになる真実と
最期の逆転劇は充分過ぎるくらい面白い!

ミステリ好きなら、ある程度予想出来る結末かもしれません
しかしややこしいトリックやギミックを一切排したこの作品は
ミステリ小説の面白い部分だけを凝縮したような
ストレートなサスペンス小説!!

今年最初の1冊は
幸先の良い大当たり本…
まさに心に残る斬新なストーリーでした
この本…今年のこのミスに必ずランクインすると思います

ミステリ好きだけでなく
多くの人に読んでもらいたいと感じた一冊でした!!



| 読む(隊長) | 00:57 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
BACK TO THE 吉祥寺80'S
これはちょっとしたニュースです!
三好銀が帰って来ました!!
…と言っても、一部のコミックファンにしか分らないでしょうが…

10年ぐらい前の「スピリッツ」で連載していたんです
それからぷっつりと音信不通になってしまった三好さん…
なんと今月…2冊も単行本が発売されました!!

もう1冊は「海辺へ行く道 夏」
両方ともエンターブレインのBEAM COMIXからの発売です
どういう経緯でエンターブレインから出す事になったのかは定かではありませんが
こういう再発はとても嬉しいです!!

三好さんの描く漫画は
わたしの中ですごくノスタルジックな感じで心に残っています
当時は確か「三好さんとこの日曜日」という作品名で連載していたと思います
それがタイトルも新たに単行本未発表作を集めたのがこの作品です

吉祥寺近辺であろう街並を舞台に
男女と猫一匹のリリカルな(久しぶりに使った!)日常生活を描いています
何気ない日常に隠れたありふれた出来事…
やさしさの中に隠れた影の部分…
普通に生きていれば誰でも感じるであろう生活のちょっとしたニュース達
そんなつれづれが心に染み渡ります

そしてここに登場する「梅」という猫
この猫がうまいぐあいに生活に溶け込んでいて
トゲトゲした部分を中和させてくれています
少なくとも猫を飼った事が無い人にはわからない暮らしのエッセンスなのです

何でも無い事がしあわせである事を気付かせてくれます
ただ毎日を同じように繰り返しているようで
本当はそこに喜びや悲しみや驚きが隠れている…

些細な事で相手の気持ちを察することは簡単ではないだろうけど
その些細な事の繰り返しが愛情なのではないでしょうか…
「神田川」の世界までとは言いませんが
この作品にはとてもリアリティーのある愛があります

久々に読んだ三好作品は
10年来の親友に会ったような
グッと来てホッとする………
言葉では言い表せない
とても人間味のある優しさで満ちあふれていました





| 読む(隊長) | 02:11 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
時間がないっ
んもう忙しい、忙しい!
まるで主人公が磁石なのかというように
あれよあれよと砂鉄のように事件がまとわりついて
これ以上走れない、歩けないってくらい

ギャングのエンジェル(男)はボスからの命令で
死んだ部下の墓から死体を掘り出すよう言われるも
なんと墓の中には死体がない!
そのうえなぜか裏切り者として追われる身となるのです

誰も好き好んで死体が欲しいわけじゃない
まっとうなギャングとして生きてきた自分が
なんでこんなめに!?

自分を罠にかけた犯人を捜すべく
一人、悪戦苦闘しながらも事件は二転三転
まさに風が吹けば桶屋が儲かる式に
死体を掘り出すだけのはずが・・・あの死体はなんなのさ!
と叫びたいほどのトラブルに巻き込まれる

敵か味方か、あやしい女性の影にもふりまわされつつ
実家に顔をだせとせっつく母親にブチ切れ
早く会いにきてと恋人にはせきたてられ
ギャング家業どころかプライベートからも横槍がはいる

そんな展開は王道のドタバタミステリーそのもの
そのぶん期待は裏切らない
わかっていても読まずにはいられない展開は
頭のスイッチをオフして読める楽しさ

数々の傑作シリーズをうみだした著者の初期作品
(〈ドートマンダー〉や〈悪党パーカー〉)
オチまであざやか、安心の一冊なのですピピピ
| 読む  (パク隊員) | 17:00 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
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